はじめに


クレー射撃、ライフル射撃、エアライフル射撃などの銃砲スポーツは、狩猟を原点としてヨーロッパで発展したスポーツです。 わが国でもスポーツとしての狩猟につづいて各種射撃競技が導入され、健全なスポーツとして発展定着してきました。

今日ではクレー射撃をはじめ各種射撃競技が国民体育大会の正式種目として確立し、競技人口も増えてきています。また国際的にはオリンピックの正式種目であるばかりでなく、世界選手権をはじめ国際競技大会が数多く開催され、射撃競技愛好家にとってそれらの競技会に参加することが大きい目標になっています。

1992年のバルセロナオリンピックでは、渡辺和三選手がトラップ競技で見事銀メダルを獲得、1996年アトランタオリンピックのダブルトラップ競技で吉良佳子選手が6位に入賞、最近では2002年にカタールのワールドカップファイナル大会女子トラップ競技で、竹葉多重子選手が優勝するなど、日本のクレー射撃が一躍世界の脚光を浴びました。

狩猟は明治初期にヨーロッパから導入されて以来健全に発展し、今日でも多くのハンターがスポーツとしてのハンティングを楽しんでいます。
また狩猟にはスポーツ性以外に、農業や林業に及ぼす鳥獣の被害をある程度未然に防止するかくれた面での大切な役割もあるのです。
スポーツが多様化する時代になりましたが、若年層から高齢者まで、年齢にかかわらずに楽しめる銃砲スポーツは、生涯スポーツとしても相応しい対象となっております。

しかし半面で、銃砲は当然のことながら危害防止を目的とした多くの法規制を受けています。
銃砲スポーツにたずさわる全ての人は、自己の責任において法を守り、マナーの向上に努め、絶対に事故をおこさないように心掛けなければなりません。現在善良な国民には銃を所持できる道が開かれていますが、所持するまでの手続きはいささか複雑といえましょう。

どうしたら銃を所持できるのか、はじめて銃を持つ人のために、各方面の要望に応えて昭和56年に本書を編集発行いたしました。その後、版を重ねてきましたが、今回鳥獣保護法の全面改正等もあり、内容を改訂して再版することとしました。本書がこれから銃を所持し、銃砲スポーツを楽しもうと計画されている方のお役に立つことができれば幸いです。


平成15年5月

社団法人 日本猟用資材工業会